上野

いちばんの贅沢は何かと問われれば「刺身と日本酒」と答えるだろう。刺身を口に含んだときの至福と、口に残った魚の脂を日本酒で流し込むときの至福は、私にとって特別なもの。上野アメ横の「魚草」は、そんな私の欲求をストイックに満たしてくれる。

大統領の支店は強いよなぁ。朝から人が詰めかける圧倒的な集客力、大勢の酔客を飲み込む異次元のキャパシティ、美味しくてリーズナブルなお酒やおつまみも強い。なにより、そのすべてが掛け合わされて生み出される、この場所ならではのエネルギーが強すぎるのだ。

酒場はいつだってガヤガヤしていて、ちょっと入りづらいと感じている人も一定数いるだろう。でも腰を据えてお酒を呑めば、ガヤガヤもいつしか心地よく響いてきたりするものだ。上野「五の五」には、そんな酒場の醍醐味が詰まっているように思う。

こんなに自由な寿司屋は初めてだ。それが私の、アメ横二郎を訪れた率直な感想かもしれない。寿司のクオリティとリーズナブルさはもちろん、何よりも敷居の低さ、いや、敷居がそもそも存在しないかのような自由で牧歌的な雰囲気は尊敬に値するだろう。

お酒を呑むことを戦いに例えるなら（必要はないけれど）、ゼロ次会は一番槍、シメの1杯は殿（しんがり）になるだろう。どんな状況にも柔軟に対応できて、リーズナブルでおつまみのクオリティも驚くほど高い。こんなにも頼りになる酒場がほかにあるだろうか。

昼呑み、酒呑みの酒都・上野。さらにその中心地に堂々と居を構えるのが魚で呑める人気店「浜ちゃん」である。有名店や人気店が軒を連ねるアメ横で独自の存在感を放っている酒場だ。大衆的な佇まいと敷居の低さで多くの人に親しまれている。

上野アメ横エリア、そのなかでも特に雑多でカオスで活気に満ちた高架下に佇む、もつ焼きの名店・大統領。昭和25年創業、戦後闇市の風情を色濃く残す佇まい。上野といえば大統領、こう呼んで差し支えないだろう。

蕎麦屋で酒を飲むことに、強い憧れがある。江戸の昔、蕎麦屋は居酒屋として使われていたという。蕎麦前で酒を飲み、蕎麦を手繰って締める。そんな粋と呼べる飲み方を、そろそろ標榜していきたいと思っている。上野の老舗・翁庵は、私のような蕎麦素人をも暖かく迎えてくれる名店だ。

上野はアメ横エリア、今もっとも勢いのある大衆酒場「ほていちゃん4号店」。こだわりのつまったクオリティ高いおつまみに豊富なお酒メニュー、そして何よりお値段のリーズナブルさが人気を集めている。