酒場を巡っていると「こういうお店が近所にあったらいいな」と思える店がたまにある。それは高級なお店などではもちろんなく、料理がとびきり美味しいお店でもない。お財布に優しくて、居心地が良くて、適度に放っておいてくれる。こんなお店だったら、仕事帰りにふらっと立ち寄って、1〜2杯軽くひっかけたくなるなと思えるのだ。今回訪れた赤羽の立ち呑み店「桜商店603」は、まさにそんな条件をしっかりとクリアしたような酒場。赤羽に住む人が本当に羨ましく思えちゃうのである。
近所にあったらいいのに、そう思えるお店No.1の「桜商店603」
JR赤羽駅東口から徒歩2〜3分、酒場や飲食店が連なる「赤羽では比較的ライトなイメージ」なエリアに手頃感がたまらなく嬉しいキャッシュオンの立ち呑み店「桜商店603」はある。『603』ってなんだ?と思い調べてみると、以前この場所で営業していた店舗名が603だったので、その名残のようなものらしい。どこまでも敷居の低い、アットホームとすら感じられるお店の雰囲気は格別だ。
木目の壁面に数多のメニュー短冊。シンプルでストイックな店内。
店内にはカウンターとテーブルが配置されているほか、席料300円を払うことで利用できる椅子席も。木目の壁面にところ狭しと貼られたメニューの数々に、密かに心踊らせてしまうのは私だけではないだろう。休日の午前、店内には私と二人連れの男性客のみだったこともあり、そこにはのんびりとした空気が流れていた。週末の夜など、いわゆるゴールデンタイムにはどんなことになるのか、いずれ再訪して確かめてみようと思うのだった。(喫煙可能店なのでご注意を)
税込み100円からのおつまみ、圧巻の価格設定に驚きを隠せない。
壁面のメニュー短冊、そして卓上のメニュー表を見ると、ちょっとした驚きがあるだろう。税込み100円のおつまみが豊富に用意されているではないか。串揚げ、やきとりからお刺身までとバリエーションも幅広い。せんべろ店の範疇に入ると思うのだが、1000円あればしっかり贅沢できるんじゃないかと思える価格設定。本当に頭の下がる思いだ。
続いてドリンクメニューがこちら。酎ハイ250円を皮切りに、ビール、ウイスキー系、サワー系、日本酒、焼酎とひととおり揃っている印象。財布の平和を守りながらいかに満足度を上げていくか、どのドリンクとおつまみを組み合わせていくか、酒呑みの腕の見せどころだろう。
予備知識として知っておきたいのは、桜商店603はキャッシュオンデリバリー式ということ。お酒や料理のオーダー時に現金での支払いが必要なので、小銭を用意しておこう。
またお店のルールとして酔った状態での入店はNG。その他にも常識の範囲でルールが掲示されている。他のお客さんに迷惑をかけず、マナーを守って楽しもう。
こういうのがむしろ贅沢なんだよ、な酒とつまみを楽しむ
この日は私としてはめずらしく角ハイボール(400円)からスタート。何度も呑んだことのある、お好きでしょ、な味わい。安定ってかなりの贅沢なのかもしれない。
そしてやってきたのはハムカツ(350円)。注文を受けてから揚げてもらえたであろう熱々を頬張る。サクッとした歯ごたえがハイボールを加速させてくれる。
最後にシューマイ串(150円)。シューマイを揚げるのもめずらしい気がするし、串に刺したものめずらしい気がする。でも好き。なぜならシューマイだから。
安価で居心地が良い。何度でも通いたい名店
この日は次に行きたい店もあったので、3品900円で終了。それなのに、この心の充実ぶりは何なのだろう。安価でサクッと呑めることはもちろんだが、お店の雰囲気や居心地の良さも、その時の私の気分にぴったりとあてはまったのだろう。ぜひ自宅の近所に出店してほしい、そして何度でも通いたい、そんな思いを噛み締めながらお店を後にした。
店名/桜商店603
住所/東京都北区赤羽南1丁目8-7 錦水会館
電話/03-3903-5988
営業時間/(月〜水)8:00〜26:00 (木)8:00〜00:00 (金・土)24時間営業 (日)6:00〜22:00
定休日/なし※本記事は筆者訪問日(2024年1月)時点の情報をもとに作成しています。
※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があります。
※飲酒は20歳になってから。お酒は楽しく適量で。