【餃子の王将】酒呑みの繊細な心に応えてくれる絶対的安心感

中華・町中華

酒呑みの心は繊細だ。カタギの人から見れば、酒呑みなど図太さの塊のように思うかもしれない。人目もはばからずに陽気な声を上げる、心臓に毛が生えた存在だと思うかもしれない。しかし、それは大抵において偏見なのだ。酒呑みを自称する自分でも驚くほど自分の心は繊細で、時に制御もかなわないほど、それは常に大きく揺れ動いているのだ。

例えば今夜、どこかへ呑みに出かけるとしよう。自分の心と相談しながら、行き先の店を決めようとする。今夜は何をつまみながら、何が呑みたいのか。どんな雰囲気の店で過ごしたいのか。何を食べて締めたいのか。自分の心に問いかける。しかし決まらない。もうぜんぜん決まらない。行こうとする店が混んでいたらどうしようとか、初訪問の店に足を踏み入れる胆力は残ってないなぁとか、常連ばかりの店で肩身の狭い思いをするのは嫌だなあとか、でもだからって、座れるならどんな店でも良いわけじゃなくて、しっかりと美味しいものが食べたいし、ビールを美味しくしてくれるおつまみのあるお店じゃないと満足しないなぁなんて思っちゃってもうぜんぜん決められない。困った。本当に困った。

そんなときにふとこの店の看板を発見できたなら、私の足はふらふらと、でも確実にそこへ向かって歩を進めるだろう。押しも押される人気中華チェーン、餃子の王将である。

全国に700店舗以上を展開する人気チェーン「餃子の王将」


餃子の王将は、株式会社王将フードサービスが京阪神地区を中心に全国展開する餃子をメイン商品とする中華料理チェーン。1967年に京都市の大宮駅付近(四条大宮)に1号店が開店し、1970年代後半には東京地区に出店を開始。繁華街や駅前型、郊外型など、幅広いタイプの店舗があり、多くのエリアに出店している。多くの有名人がファンを公言するなど、幅広い世代から人気を集めている。ランチや定食などさまざまなメニューが用意されているが、お酒を呑む目的での使い方も捨てがたいものがある。

酒呑みのわがままをかなえてくれる「ジャストサイズメニュー」


餃子の王将にはもちろん、人気中華ならではのラーメン、チャーハン、一品料理、定食などのメニューが充実している。このあたりの紹介は公式や他サイトに譲るとして、私が特に気に入っていて、ぜひともここで紹介したいのは「ジャストサイズメニュー」と呼ばれるものだ。

これは通常のグランドメニューを一人分のミニサイズで、小皿で提供してくれるもの。ビールなどのアルコールと、このジャストサイズメニューをおつまみとしてオーダーすることによって、我々のような酒呑みは、餃子の王将を居酒屋使いすることができるのだ。もちろん、通常の定食に一品プラスしたいときや、キッズと一緒に来店した際にも重宝することだろう。酒呑みのわがままをかなえてくれる、本当に便利で嬉しいメニューなのだ。

ビールと餃子の鉄板コンビ、好きなものを好きなだけ


酒呑みが餃子の王将に来て、まずはコレをオーダーしなければ背筋がむず痒いというものだろう。生ビール(495円)である。アサヒスーパードライのそれは、いつも呑んでいるおなじみのものながら、いつ呑んでも美味しいシロモノだ。


そしてビールのお供といえば餃子(286円)をしっかりと確保しておきたい。冒頭でさんざんジャストサイズメニューを推してしまったが、餃子だけはちゃんと一人前食べたい。


そして餃子を食べる序盤は、酢と胡椒のみでさっぱりと行きたい。この食べ方がいつ頃から支持されるようになったかはわからないけど、私がこの食べ方を認識したのはドラマ「孤独のグルメ」がからだったように記憶している。最初は酢と胡椒でさっぱり食べ、後半に醤油とラー油を投入してしっかり味で食べるのが好き。


そしてジャストサイズメニュー。餃子の王将の中でも人気があるメニューで、私もしっかりとファンなのがこの鶏の唐揚げ(330円)。さっくりジューシーで美味しい。


鶏の唐揚げには、卓上の「王将マジックパウダー」を振りかけて。別名・魔法の粉と呼ばれる味変によって、鶏の唐揚げはさらに高いレベルへと到達する。


ジャストサイズメニューでもう一品。ニラレバ炒め(315円)で今日は打ち止め。ニラレバなのかレバニラなのか、議論は大いに盛り上がりそうだが、私としては美味しければどっちでも良い派だったりするんである。

人は多いが放っておいてもくれる、居心地の良い空間


餃子の王将は言わずとしれた人気店であるため、曜日に関わらずランチタイムなどには多くのお客さんで混雑することになる。私が訪れたこの日も平日のランチ時であったため、着席当初は酒を呑んだりおつまみを複数回に分けて注文することは、お店にとって迷惑なのではないかという懸念はあった。ところが実際にオーダーしてみると、店員さんは至って普通に、快くオーダーを通してくれた。また私がお酒を呑んでまったりしているときも、特に気にされるでも気を使われるでもなく、良い意味で放っておいてくれた。おかげで最後まで気持ちよく過ごすことができた。

いつでもどこでも美味しく呑めて食べられる、という心強さ

餃子の王将は、東京都内の主要な駅の近くにはだいたいにおいて店舗を構えているという印象が、私のなかには勝手にある。つまりいつでも、場所を選ばずに、ジャストサイズメニューを楽しみながらお酒を呑むことができるのだ。なんという心強さ、なんという安心感なのだろう。うるさ型の常連客に支持される酒場も良いが、たまには餃子の王将のような、気兼ねなく気軽に呑めるお店でまったりすることも楽しいもの。もうこの際はっきり言っておこう。世の中の多数の人に紛れて、私もご多分に漏れず大好きなんです、餃子の王将さん。

餃子の王将 公式HP

※本記事は筆者訪問日(2021年10月)時点の情報をもとに作成しています。
※ジャストサイズメニューは時期や地域、店舗により異なる場合があります。
※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があります。
※充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。
※飲酒は20歳になってから。お酒は楽しく適量で。