【御徒町「やきとんまるわ」】ビールに何を合わせるべきか、その結論かもしれない一品

大衆酒場・居酒屋

ビールに合う最強のおつまみは何か。こんなにも意見が割れそうで、こんなにもファイナルアンサーの見つからない問いが、果たしてあるだろうか。時代によっても地域によっても気候によっても、なんならその時の気分によってさえも移ろうであろう、いわば究極とも言える答え。親愛なる酒呑みの皆さんなら何を思い浮かべるだろうか。もちろんこの記事は、その究極のファイナルアンサーを提示しようなどという厚かましいものではない。少なからず呑み歩いてきた私個人の、私なりの、あくまでも現状での答えをお示しさせていただきたい。それは御徒町にある「やきとんまるわ」という店にある。

浅草橋の名店のDNAを継ぐやきとん店「やきとんまるわ」


JR御徒町駅北口から、信号が順調なら徒歩2分くらい。小さな路地に佇む気鋭のやきとん店が「やきとんまるわ」だ。店舗のオープンからまだまだ日は浅いものの、こちらのオーナーは、かの「西口やきとん」で16年間修行を積んできた実力の持ち主。西口やきとんとは、浅草橋駅西口に本店を構えるやきとん店のこと。いつ見ても人だかりができている印象の人気店で研鑽を積んだということだから、まるわの味にも自ずと期待しちゃうわけなのである。3階建ての店内、テーブル席ももちろん用意されているが、さくっと呑みたいので立呑みカウンターに着いた。

やきとんを引き立てるための、厳選されたメニュー


まるわのHPからメニューのPDFを拝借。ドリンクは大きくビール、サワー、日本酒、焼酎の4方向。それほど多くの種類を呑まない私などにとっては、このくらいシンプルなほうがかえって好感が持てるというもの。日本酒にしれっと獺祭が用意されているあたりがなんとも愛おしい。


そしてフードメニュー。やきとんをメインディッシュと考えるなら、前菜としての一品料理も、サイドメニューとしての揚げ物など必要にして充分なラインナップ。また卓上のメニュー表にプラスして、店内に掲示された別紙などのメニューもしっかりチェックしておいたほうが良いだろう。

ビールにベストなつまみ、私なりのファイナルアンサー


はやる気持ちを抑えつつ、まずは瓶ビール大瓶(605円)をオーダー。いつものキリンラガーは、いつもどおりの安心できる味わい。そして心のなかで「例のモノ」を迎え入れる準備を整える。


その前にスピードメニュー。こうして酒呑みブログを書いていると、なんだかタコワサ(220円)を食べている機会が多いことに気づく。どこの店でも当たり外れなく美味しいし、ビリッとした刺激とタコの食感が、どうしたってお酒に合うんだもの。これは仕方ないことなのだ。


そしてやって来たのが、本日のメインであり、私が今現在ビールにもっとも合うつまみとして推したい「皿なんこつ(330円)」である。これだ、これが食べたかったのだ。これで呑みたかったのだ。

なんこつと聞いて、コリコリとした食感を想像してはいけない。この皿なんこつは、なんこつが周囲の肉と一緒にトロトロになるまで煮込まれていて、もはや歯すら不要なほど柔らかい。肉の旨味がぎゅっと凝縮された濃厚な味わいを口に放り込み、それを追いかけるようにビールで流し込む。心と身体にここまでの幸福をもたらす一品が他にあるだろうか。この記事を読んでくれた人全員に味わってもらいたい一品だ。


幸せついでに串焼きも味わっておかなければ。ということでシロとレバ(各110円)。肉厚でボリューミーな一串からは、上質な肉の旨味をたっぷりと味わうことができる。


そしていつもの、おきまりの酎ハイ(330円)へとスイッチ。味わった品数は少ないけど、皿なんこつはもちろん、どれも満足のいくクオリティ。あらためて良いお店だなあと感じながら呑み干した。

ビールに最強の皿なんこつ、でもそれだけじゃない奥行きの深い店

私なりにビールにもっとも合うメニューとして、まるわの「皿なんこつ」を紹介させてもらったが、まるわの魅力はそれだけに留まるものではないと思っている。思えばまだ味わったことのないメニューも数多くあるし、そういえばフランスパンに皿なんこつを乗せて頬張るといった裏技的な食べ方にも挑戦するべきだった。まるわの奥は深い、底も深い。これからも機会があるごとに顔を出し、さまざまなメニューを味わっていきたいと思う。そして浅草橋の西口やきとんにも、きっと足を向けなければ。

店名/やきとんまるわ
住所/東京都台東区上野4丁目2-10
電話/03-3837-2191
営業時間/12:00~23:00
定休日/年中無休(不定休)

※本記事は筆者訪問日(2022年1月)時点の情報をもとに作成しています。
※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があります。
※充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。
※飲酒は20歳になってから。お酒は楽しく適量で。