メヒカリという
深海からやってきた小さな魚について知ったのは
比較的最近のことだと思う。
目が光るからメヒカリ。
深海の闇に青白く灯すことがあるそうだ。
干物や南蛮漬けなど食べ方はさまざまだが
定番と言えるのはやはり唐揚げだろう。
以前、福島で食べた
メヒカリの唐揚げもまた絶品だった。
その脂の甘味と繊細な白身のうまみに
淡麗で辛口の冷酒を合わせた夜のことを
忘れることはないだろう。
東京ではなかなかお目にかかれない魚だから、
出会えるのは旅先ということになる。
その事実が、私のメヒカリ欲をさらにかきたてる。
もはやこれは、私とメヒカリとの遠距離恋愛。
織姫と彦星のように、
たまの邂逅を存分に堪能していきたいものだ。